ブルネイ:豊かな石油が育んだ森とモスクの国
東南アジアのボルネオ島北部に位置するブルネイは、マレーシアとインドネシアに囲まれた小さな国です。人口は約43万人、国土面積は約5,700平方キロメートルというコンパクトさながら、その豊かな資源と独自の文化が際立ちます。
歴史的にはマレー人が築き上げたスルタン国家として発展し、後にイギリスの保護国となりましたが、1984年に独立。現在もスルタンが国家元首を務める立憲君主制のもと、首相が政治を担っています。経済は石油と天然ガスという豊富な資源に支えられ、国民の生活水準は非常に高く、高級車の多さからもその豊かさを垣間見ることができます。国内ではマレー人が多数派を占め、公用語はマレー語です。
歴史:イスラム文化が根付く王国の軌跡
ブルネイの歴史は古く、14世紀にはかつて栄えたマジャパヒト王国の一部でした。15世紀にはイスラム教が広まり、現在のスルタン制へと移行。その後、19世紀にはイギリスの保護国となり、20世紀には一時的に日本に占領されるという経験もしました。そして、1984年に完全な独立を果たし、現在に至ります。
政治:スルタンを中心とする統治体制
ブルネイは、スルタンが国家元首であり、同時に首相も兼任する立憲君主制です。議会は一院制で、33議席のうち20議席はスルタンが任命する上院議員で構成されています。この体制からもわかるように、政治的な権力は国王をはじめとする王族が強く握っています。
社会・文化:敬虔なイスラムと独自の文化
ブルネイではマレー人が多数派を占め、公用語はマレー語です。イスラム教が国教とされており、国民の生活に深く根付いています。イスラム教の聖なる月であるラマダン期間中は、昼間の飲食が制限されます。また、国内には美しいモスクが数多く点在し、中でも壮麗なオマル・アリ・サイフッディーン・モスクは、その美しさから人気の観光スポットとなっています。
経済:資源に恵まれた豊かな暮らしと課題
ブルネイ経済の根幹を支えるのは、何と言っても石油と天然ガスという豊富な資源です。これにより、国民の平均寿命は長く、貧困率は低いという高い生活水準を維持しています。しかし、その経済は石油に大きく依存しているため、国際的な石油価格の変動が経済に直接影響を与えるという課題も抱えています。